物語  −1   ((ポッキー&プリッツの日まであと10日


例えば。
自分の前に自分とそっくりな人が現れたら
あなたはどうするか?



じゃあ、聞き方を変えよう。
世界には自分と同じような顔をした人が自分を含めて三人いる、とよく言う。
その自分以外の二人に出会ったら
あなたはどうするか?
そして
実は血の繋がった三つ子でした、という
ドラマのようなオチがついてきたら
あなたはどう思うか?



例えば。
そう例えばの話である。
実際に起きる事なんてないのだから。
もちろん
例えばの話である。





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『温めて食べて下さい。
 窓の閉め忘れ、気をつけてね。いってらっしゃい。』


電気をつけて僕は母さんの残したメモをボーっと読んだ。
温めて食べる・・・・?あぁ、味噌汁と・・・オムレツの事か。
寝起きの脳は正常に働いてくれなくて、簡単な文章さえ解読不可能になりかけていた。


母さんは今日も仕事で朝っぱらから居ない。
朝飯の準備が面倒くさいので居てくれた方がいいのだが、
まぁいいや。
グチグチと何か言われる事は無い訳だから。
その分 精神的には。楽ってか、ね。ね。


グツグツと味噌汁を煮ながらお気に入りの白のパーカーに着替えた。
とりあえず今日は学校を休む事にして。
僕はいつもよりゆったり朝を過ごす事にした。
ずる休みでは無く、本当に頭が痛いのだ。
何かおもしろそうな事が起こる前触れ、
頭が痛いという事はそういう事に僕の中ではなっている。
だから学校は休む。
こんな時に学校に行っていられるか、って話だ。