物語  −8   ((でもスクリーンセーバー怖いよぉうっ!

ここから公園へは五分くらい。
その間、桂汰と僕はできるだけ三つ子の話から避けていた。
この五分の短い時間にあまり深い事を考えたくなかったのだ。
できるだけ軽ーい感じの話題を・・・。
そういえば。一つ気になっていたことがあるな。
この話、振ってみるかな・・・。


「桂汰、」
「ん?」
「あのさ、会った時から気になってたんだけどさ。」
「うん。」
「その右のほっぺのあざ、どーしたんだ?」
「あぁ、これねぇ。
 さっきつけられたんだよねー。」
へらへら笑いながら桂汰。
さっき、つけられた・・・・?
・・・へ?
・・・・・・・・・!!
「け、ケンカでもしたのか?!」
「はははっ、あったりー。」
「親父と?」
「まさか。
 誰があんな弱っちいのと・・・・。」
「じゃあ、誰と、」
「知らない奴だったよ。うん。
 初めて見た面だったし。」
「なんでそんなのとケンカすんのさ・・・。」
「いやぁ、俺、目つき悪いのかさ、向こうが売ってくんの。
 だからどんなに強い奴かと思って。買ったんだけど。
 バリ弱くってさぁ。向こうは五人もいたのに。
 一分もしない内に向こうぐったりよ!」
桂汰は嬉しそうに得意げに言った。
隣町にこんな番長がいたのにどうしてウチの学校で話題にならなかったんだか・・・。
「でさ。
 こっちが気を許したと思えば、向こうは顔狙ってくんの。
 見える所に傷負わせりゃ勝ったとでも思ってんのかね?
 ボディいかないと、ボディに・・・翔汰もそう思うだろ?」
・・・・・いやいや?
「さぁ・・・俺はそちら方面には詳しくないから・・・」
「じゃあ、今度、護身術ぐらいは教えるよ。
 危ないからな、この世間。」
・・・「結構です・・」なんて言えなかった。何だ、こいつ。
「あはは・・ありがと。」


なんつってる間に公園。
桂汰のケンカ話で思いの他盛り上がって良かった・・・・。
(良かったのかなぁ・・・・)
二人でコカ・○ーラの赤いベンチに座った。
ミシミシいってたが気にせず緊急会議を開始した。

「とりあえず、今持ってる情報を全て俺に教えてくれ、翔汰。」
「桂汰も・・・ね?」
「うん。じゃあ、俺の家族構成とかからいくわ。」


・・・まぁいろいろ意外な事実があったりして。