物語  −3   ((金剛地さんはテレ東では疑問Gメン。

半分ノリでめくった写真はテカテカと光り、
僕の記憶に迫ってくるように思えた。
三人の赤ちゃんの足元には名前のプレートがたててある。
左から「翔汰」「凜汰」「桂汰」・・・・・。
「翔汰」っていうのは僕の名前で・・・。
・・・じゃ後の二人は誰だ?
病院仲間の赤ちゃんってヤツか?
にしては同じ時期に産まれたように見えるし・・・。
右下の日付に目をやる。
「1991.5.28」・・・僕の誕生日の二日後・・・・?
心臓が速く鳴る。脳の中身はくちゃくちゃになりかけている。
その時、昨日学校で竹下と並木が話していた事が頭の角をよぎった。



『テレビで見たんだけどさぁ。』
『竹下にしては珍しくテレビネタ?』
『いや、ちょっと気になっちゃってねー。』
『はぁ。何さ?』
『世の中にはさぁ、自分とそっくりな顔した奴が自分含め三人はいるんだってよぉ。』
『ぁあ、結構前からあるよね?そうゆうのって。』
『で、考えたんだけど。』
『うん。』
『実は三つ子でしたーーーってオチがある事ってねぇかな?』
『・・・・・無くはないんじゃない?』
『だよな!そう思うよな!』
『翔汰はどう思う?』
「・・・・・無くはないよね?」
『だよな!まぁ、実例は無さそうだけどな!』
『なんだよ、それ(笑』




自分にそっくりな人・・・・。
三人・・・・三つ子・・・・・・。
血の繋がった兄弟だって知らないまま一人っ子として過ごしている・・・・。
兄弟だって分からなければ、赤の他人・・・。
それは
ただの自分にそっくりな人でしかない・・・・。


僕の頭の中で色んな、色んな事が渦を巻く。
大きく、小さく、浮かんでは消えて、渦を巻く。


まさか。
まさかとは思うが。
・・・僕には
兄弟がいるのか・・・・?




名前の系統一緒だし・・・なぁ・・・。