その一

青年は思いました。
「この町が何故これだけ暗いのか住人は考えた事があるのか」と。
住人は確かにこの町が滅んでゆくのを見ているだけでした。
でもそれは解決策が見つからないだけであり、
「どうでもいい」と考えていた訳ではありません。
青年がもう数少ない住民に言いました。
「この町にはユーモラスがない!
今からでも遅くないんだ、楽しい町にしようじゃないか!」
青年はかばんから白い厚紙をとりだしました。
そして住民の似顔絵をそこにかきました。
「さぁ、これを顔につけてください!
 カーニバルの始まりですよ!」
青年がギターをならします。
踊り出したくなるような曲が次々と演奏されます。
住民達は次第に楽しい気分になり、みんな陽気に笑い歌いだしました。
青年はある曲を弾く前住民にあるコールをさせました。
住民達のテンションは今マックスです。
めっちゃ楽しい!ホント、このままいい町になればいいね!
青年はこの日以来姿を消しましたが
町には活気がもどり
毎年「お面祭り」が開催されるようになりましたとさ。
めでたしめでたし。